横浜銀行(横浜信用保証(株))の抵当権抹消登記の方法
住宅ローンを横浜銀行から借り入れた場合、通常、保証会社の横浜信用保証(株)の抵当権が設定登記されます。住宅ローンを完済しますと、横浜銀行から抵当権抹消登記書類を受け取ります。
抵当権抹消登記の基本的に必要な書類は、抵当権抹消登記の必要書類を参考にしてください。
横浜銀行から受け取る書類の中で、抵当権抹消登記に必要な書類は、次のとおりです。
(1) 抵当権抹消登記原因証明情報
(2) 委任状(横浜信用保証(株))
(3) 抵当権設定契約証書
(4) 登記識別情報通知(抵当権設定):おおよそ平成19年以降に登記された場合に発行されています。
この他、横浜信用保証(株)の印鑑証明書コピーがありますが、これは登記所に提出する必要がありません。
横浜銀行から受領する抵当権抹消登記書類の説明
(1)抵当権抹消登記原因証明情報
抵当権抹消登記をするためには、抹消する根拠である「原因」を証明する必要があります。このために「登記原因証明情報」が必要となります。
「登記原因証明情報」のタイトル(表題)は、各金融機関(保証会社)により異なります。
横浜信用保証(株)の場合のタイトルは「抵当権抹消登記原因証明情報」です。
横浜銀行から受け取る「抵当権抹消登記原因証明情報」には、「空欄部分」があります。
この空欄部分は、登記を申請する方が記入します。
例えば、ご自身で登記申請される場合、ご自身で記入していただくことになります。
空欄部分は、主に次の事項です。
- 登記所:〇〇法務局 〇〇(支局・出張所)
→ 申請する登記所を記入します。登記所の管轄は、法務局のホームページでご確認ください。 - 権利者(抵当権設定者):不動産の「所有者」の住所・氏名を記入します。
→ 共有者の場合は、共有者全員の住所・氏名を記入します。 - その他、「日付」が空欄の場合もあります。この場合も記入します。
令和〇年〇月〇日
〇〇法務局○○(支局・出張所)御中
横浜市西区みなとみらい三丁目1番1号
横浜信用保証株式会社
代表取締役 ○○ ○○ (代表者㊞)
(会社法人等番号 0200-01-016288)
下記のとおり抵当権は消滅いたしました。
1.登記の目的 抵当権抹消
2.申請対象となる登記事項の表示
〇〇法務局○○(支局・出張所)〇年〇月〇日受付第○○○○号
3.登記の原因 〇年〇月〇日主債務消滅
(→ 登記申請書の「原因」として「〇年〇月〇日主債務消滅」を記載する。)
4.当事者 権利者(抵当権設定者)
義務者(抵当権者)
横浜市西区みなとみらい三丁目1番1号 横浜信用保証株式会社
5.登記の原因となる事実又は法律行為
本件抵当権の被担保債権の目的たる債務の消滅により、抵当権者 横浜信用保証株式会社の本件抵当権の被担保債権は〇年〇月〇日消滅した。
6.不動産の表示
別紙明細のとおり(2ページ目に物件の表示が記載されている。)
(2)委任状(横浜信用保証(株))
横浜信用保証(株)が「実際に申請する人」に対して抵当権抹消登記の申請を委任するための委任状です。
委任状に記載されている横浜信用保証(株)の住所:「横浜市西区みなとみらい三丁目1番1号」(本店所在地)が「登記上の住所」と異なる場合は、この変更を証明する書類(会社謄本など)を「変更証明情報」として登記所に提出するのが基本です。
「実際に申請する人」が「所有者(共有者)」であれば、空欄部分に「所有者(共有者)」を記入します。
抵当権抹消登記申請を司法書士に依頼される場合、「実際に申請する人」が司法書士となりますので、空欄のままとします。この空欄部分に依頼された司法書士が記入します。
(3)抵当権設定契約証書
抵当権設定契約証書は、抵当権設定を登記したときの書類です。
この書類の最後のページに「物件の表示」が記載されています。
「物件の表示」欄に抵当権設定登記した「登記所の受付印」がある場合があります。
この「登記所の受付印」がある場合、「登記済証」として登記所に提出します。
この「登記所の受付印」がない場合、次の「登記識別情報通知(抵当権設定)」をコピーして登記所に提出します。
(4)登記識別情報通知(抵当権設定)
登記識別情報通知は、おおよそ平成19年以降に登記された場合に発行されています。
もし、横浜銀行から受け取る書類の中に「登記識別情報通知」がある場合、次の内容を確認します。
登記識別情報通知の見本は、こちらを参考にしてください。
・登記識別情報通知の枚数を確認
→ 物件の個数分の枚数があります。
・次の事項を確認します。
→ 「不動産」「不動産番号」「登記の目的(抵当権設定)」「登記名義人(横浜信用保証株式会社」
抵当権抹消登記書類を確認した後、次の「登記事項」の内容を確認
登記申請書を作成する前に「登記事項」を確認します。
これは、最寄りの登記所で「登記事項証明書」または、インターネット経由で「登記記録情報」を入手して(登記情報提供サービス)、その内容を確認します。
「現在の住所」と「登記されている住所」が異なる場合
登記事項の内容のうち、所有者(共有者)欄に記載されている「住所」と現在の住所が異なる場合は、「所有権登記名義人住所変更登記」を抵当権抹消登記と一緒に申請する必要があります。
この住所変更登記を一緒に申請しない場合は、登記の申請が「申請書に記載された住所と登記されている住所が相違する。」という理由で却下されます。
再度、申請をし直す必要があります。
住所変更登記と抵当権抹消登記を一緒に申請する際は、住所変更登記の申請書に「1/2」と記載し、抵当権抹消登記の申請書には「2/2」と記載して、住所変更登記→抵当権抹消登記の順番に書類を揃えて登記所に提出します。
以上のことは「現在の氏名」と「登記されている氏名」が異なる場合のも同じことが言えます。
住所変更・氏名変更については、次のページを参考にしてください。
【住所変更登記】
住所変更登記の必要性
住所変更登記の必要書類
住所変更登記の手順
住所変更登記申請書の書き方
住所変更登記事例
【氏名変更登記】
氏名変更登記の必要性
氏名変更登記の必要書類
氏名変更登記の手順
登記申請書(抵当権抹消)の書き方
登記申請をする場合、上記の必要書類を登記所に提出するだけでは足りず、「登記申請書」を作成します。
登記の目的 〇番抵当権抹消(順位番号後記不動産の表示に記載のとおり)
原 因 〇年〇月〇日主債務消滅
抹消すべき登記 〇年〇月〇日受付第○○○○号
権 利 者 (所有者・共有者)
(住所)横浜市中区○○
(氏名)横浜 太郎 ㊞ (認印)
連絡先の電話番号 ○○ー○○ー○○
(訂正や不足書類がある場合、法務局が連絡してくれる。
(住所)横浜市中区○○
(氏名)横浜 花子 ㊞ (認印)
連絡先の電話番号 ○○ー○○ー○○
義 務 者 横浜市西区みなとみらい三丁目1番1号
横浜信用保証株式会社
代表取締役 ○○ ○○
会社法人等番号 ○○○○ー〇〇ー○○○○○○
添付情報
登記原因証明情報 登記識別情報(登記済証) 代理権限証明情報
(変更証明情報) 会社法人等番号
令和〇年〇月〇日申請 ○○法務局 〇〇出張所・支局 御中
登録免許税 金2,000円 (物件1個につき1,000円。ただし、上限、2万円)
不動産の表示
不動産番号 23234566(書いても書かなくてもどちらでも問題ない。)
所 在 横市中区関内 丁目
地 番 ○○番○○
地 目 ○○
地 積 ○○・○○平方メートル
順位番号 〇番
不動産番号 12234566(書いても書かなくてもどちらでも問題ない。)
所 在 横浜市中区関内〇丁目○○番地○○
家屋番号 ○○番○○
種 類 居宅
構 造 木造スレート葺2階建
床 面 積 1階 ○○・○○平方メートル
2階 ○○・○○平方メートル
順位番号 〇番
登記申請書の記載説明
「登記の目的」には、登記されている「順位番号」を記載します。
例えば、土地の順位番号が「1番」で、建物の順位番号が「2番」の場合は、「抵当権抹消」と記載し、その後に「(順位番号後記不動産の表示に記載のとおり)」と記載します。
「原因」は、抵当権抹消登記原因証明情報に記載されている日付と原因を記載します。
「原因」は「〇年〇月〇日主債務消滅」と記載します。
「抹消すべき登記」は、
抵当権設定登記がされた日付と受付年月日を「〇年〇月〇日受付第○○○○号」と記載します。これは、登記事項で確認します。
(押印)申請書に押印する所有者・共有者の印鑑は、認印で可、シャチハタは不可です。
「添付情報」について
・「登記原因証明情報」は、抵当権解除証書などを意味します。
「登記識別情報(登記済証)」は、
横浜信用保証(株)の登記識別情報通知があれば「登記識別情報」と記載します。
登記識別情報通知がなければ「登記済証」と記載します。
・「代理権限証明情報」は、横浜信用保証(株)の「委任状」を意味します。
・「変更証明情報」は、横浜信用保証(株)の登記上住所が現在の住所と異なる場合に「変更証明情報」と記載します。
「登録免許税」は、不動産(物件)の個数1個につき1,000円。土地と建物2個であれば、2,000円。
物件の数が20個を超えるときは、上限が2万円。
「不動産の表示」
登記事項に記載されているとおりに記載します。
「順位番号」
例えば、土地の順位番号が「1番」で、建物の順位番号が「2番」の場合、それそれ、「順位番号 1番」、「順位番号 2番」と記載します。
「不動産番号」を記載するときの方法について
例えば、次のように「不動産番号のみ」を記載することもできます。
不動産の表示
不動産番号 1234567890
不動産番号 0987654321
この場合、土地であれば、所在・地番・地目・地積を、建物であれば、所在・家屋番号・種類・構造・床面積を記載しないとすることもできます。
ただし、この書き方は、敷地権付きマンションの場合、「専有部分に記載されている不動産番号」のみの記載では足りません。
登記事項に記載されている不動産の内容すべてを記載する必要がある。(ただし、マンション名の「建物の名称」が記載されている場合、マンション全体の「構造」と「床面積」を記載する必要がない。)
不動産番号のみを記載する方法は、不動産番号は、長い数字の羅列で間違えやすいので、もし、間違った場合、まったく別の不動産についての申請となってしまうので、登記の受付が遅れることになります。このため、当司法書士事務所では、不動産番号のみの書き方はしません。
登記申請書に必要書類を綴じる順番
上記の必要書類を登記申請書に綴じます。
申請書に綴じる順番は次のとおりです。
左綴じで2か所ホッチキスで綴じます。
申請書を綴じたら、一字一句間違いがないかどうかを確認します。
間違いがあれば、法務局の担当官から訂正を求められます。
(1)申請書(申請書が2枚以上になるときは、紙と紙の間に割印(印鑑を捺す)をします。)
(2)委任状
(3)登記原因証明情報(抵当権解除証書など)のコピー(原本還付手続)
ただし、横浜信用保証(株)の「抵当権抹消登記原因証明情報」は原本還付ができません。
原本還付ができないので、自分の保管用として「抵当権抹消登記原因証明情報」のコピーを取っておく。タイトル(表題)が「登記原因証明情報」であるときは原本を登記所に提出することになっています。そのほかの「抵当権解除証書」、「解除証書」、「弁済証書」、「放棄証書」などは原本還付ができます。
これら申請書と一緒に綴じた添付書面とは別に、次の書類を次の順番でクリップで留めます。これらの書類は返却されます。
(1)登記原因証明情報(抵当権解除証書など)
(2)「登記識別情報通知」があるときは、「登記識別情報通知のコピー(シールを剥がしてコピーします。)」コピーしたものを「封筒」に入れて提出します。原本は提出しません。
登記識別情報通知がなく、「登記済証」があるときは「抵当権設定契約証書(物件の表示に「登記済証が捺されている。」)」を提出します。